いまや企業だけでなく、個人で持ってる方も珍しくなくなったAdobe Illustrator。
趣味として、また副業として購入された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、実際に使ってみるとあまりにもたくさんのツールがあってややこしいもの。
イラレは「パス」と呼ばれる線を描画できるソフトですが、基本的な描画ツールだけでもペンツール、ブラシツール、図形ツール等様々あり、どれを使って良いかわからないという方も多いかもしれません。
僕自身紙媒体の広告を主に制作しており、Photoshop、Illustratorともに10年近く
使用しています。
結論から言うと「どれも使う」になってしまうのですが、
今回はこの基本ツール「ペン」「ブラシ」「図形」ツールがどう違うのかについて
お話ししたいと思います。
かなり私見が入った内容になってしまいますが、
・ソフトを購入したけど、どうやって絵を描いたらいいかわからない
・今まで一つのツールしか使ってないけど、他にどんなツールがあるのか興味がある
と言う方のお役に立てれば幸いです。
パスとは何か
まず、Illustratorのきほんのき。パスについて簡単に説明します。
パスとは、「アンカーポイント」と呼ばれる点とその間に引かれた線で構成されるオブジェクトです。Illustrator上のパスは「点から線が飛び出している」と考えると、アンカーポイントの役割を意識しやすいかもしれません。
アンカーポイントには線の飛び出す方向を管理する「ハンドル」と呼ばれるものがあり、これを操作することで鋭角な線やゆるやかな曲線を描くことができます。

各ツールの特徴と使い方
では、この三つのツールがどういったもので、どう使用するのかの説明します。
ペンツール
パス描画ツールの基本ともいえるペンツール。さきほど説明した「アンカーポイント」を打ち込むことができ、複数打ち込むとそれぞれの点が線で結ばれます。
頂点、または線の流れが変わる場所を自分で選べるので、あとから調整しやすいのが特徴です。

ブラシツール
こちらはWindowsのペイントなどで使えるブラシ等と操作感が近いです。描きたい線をドラッグすることでその軌道にあわせてパスが描かれます。
こちらはソフト側が描かれた軌道に合わせて自動でアンカーポイントとハンドルを設定してくれます。
直感的に描くことができるので扱いやすく、有機的な曲線が描けますが、アンカーポイントの場所が決められないので微調整が難しいです。

図形ツール
ペンやブラシとは勝手が違いますが、こちらもパスを描くことができます。
このツールの操作感もペイントソフトの図形ツールに近いです。
ツールパレットから描きたい図形を選び、描きたい大きさに合わせてドラッグします。
ドラッグするとその図形のアタリが表示されるので、描きたい大きさになったらマウスのクリックボタンを離すことで描画ができます。
シフトキーで縦横比が固定される点も他のソフトと同様です。
星形や丸など、決まった形を描きたいのであればこちらの方が正確に描くことができます。

各ツールの使い道
では、実際にこれらのツールはそれぞれどういったケースに向いているのか
説明します。
ペンツール
線を描き方が独特なので、見本なしに思い通りの絵を描くには相当な慣れが必要になります。このツールが本領を発揮するのは「絵のトレース」になります。
各頂点に正確にポイントを置くことができ、後からの調整もしやすいので
写真やイラストの画像をパスデータとして正確におこすことができます。

ブラシツール
こちらはphotoshopや他のペイントツールに近い感覚で線が引けるので
手書きのイラストを描くのに適しています。
僕は絵心がないので使えないのですが、ペンタブを使う方は使用する機会が
多いかもしれません。
自然な曲線を描きやすいので、かわいい吹き出しや落書き風の飾りを入れるときに
ブラシツールは使いやすいです。

図形ツール
単品で使用して枠オブジェクトにすることも多いですが図形同士を組み合わせたり、
図形から部分的にパスを抜き出すことで規則的なオブジェクトを
描くことができます。ロゴやピクトグラムなど、ルールに則った絵を描く場合は
図形ツールが適しています。

まとめ
今回はIllustratorでパスを描くのに欠かせないツールの違いを説明させていただきました。ざっくりまとめると下記のようになります。
ペンツール・・・見本となる画像のトレース
ブラシツール・・・有機的な枠や手書きイラスト
図形ツール・・・ロゴやピクトなど規則的なオブジェクト
もちろん特定の用途だからといって一個のツールしか使わないわけではありません。
ロゴタイポを作る過程でペンツールで形を調整することもあれば、ブラシで作った曲線と図形を組み合わせてデザインパーツを作ることもあります。
それぞれのツールの特色を理解し、イメージ通りの絵を起こせるようになると
Illustratorを使った制作がより楽しくなるのではないかと思います。
コメント