カメラレンズを新たに買ってみたいけど、高額だし失敗したくない。
どんなレンズを買えばいいんだろう?
そんな方に向けてこの記事を書いています。
一眼カメラの撮影で欠かせないカメラレンズ。
レンズ一体型のコンパクトデジカメやスマートフォンのカメラと違い、レンズの付け替えで撮影の表現幅を広げられるのが一眼カメラの良いところです。
最初の購入時はキットレンズが付属するためレンズ選びの手間をはぶくことができますが、やっぱりある程度慣れてくると違うレンズも使ってみたくなりますよね。
とはいえレンズも性能や価格がピンからキリまであります。
どれを買ったらいいか迷ってしまいますよね。
レンズは「これを買っておけば間違いない」というものがありません。
レンズ購入で大切なのは「自分がどんな写真を撮りたくてレンズを買うのか」という目的を明確にすることです。
逆にまだそこまで明確に撮りたいものがでてこない場合は、レンズ購入は後回しでも良いかもしれません。
カメラアクセサリーの中には「これは持ってて間違いない」といったものが他にたくさんあります。
もしカメラ本体と+αでなにか買いたいと考えてる場合は以下の記事も参考にしてみてください。
今回は、一眼カメラをプライベートでも6年使い続け、仕事でも一眼カメラで撮影する機会がある筆者が一眼カメラのレンズの選び方についてまとめたいと思います。
この記事を読むことで、レンズというのがどういったもので、何を基準に選べば良いかがわかります。
レンズによって表現幅が変わる理由
そもそもなぜレンズによって表現幅が変わるのでしょう。
カメラレンズは光を屈折させてセンサーに像を投影します。
さらに内部のレンズで屈折させた光のズレを調整することで、キチっとピントのあった鮮明な像を写すことができます。
光の屈折を利用して本来カメラのセンサーだけでは写すことのできない広い視野や遠くの被写体をレンズを通じて鮮明に捉えることができるんですね。
そしてこのカメラレンズは種類によってレンズの厚みやレンズからセンサーまでの距離に違いがあり、センサーにはいる視界の広さ(画角)やどれだけ遠くのものにクローズアップして捉えられるかが大きく変わってきます。
そのため、レンズが変わると表現幅が大きく変わるのです。
レンズによって「画角」や「撮影可能距離」が変わる。
だから一眼カメラにとってレンズは撮影表現を決める重要な要素なんですね。
失敗しないレンズ選びのポイント
そんな重要な役割を担うカメラのレンズ。
ぜひとも良いレンズを買いたいところですが、安易に選んでしまうと失敗してしまう場合が多いです。
ここでは筆者がレンズを選びながら学んだ失敗しないレンズ選びのポイントについてお話しします。
性能・価格にこだわりすぎない
電化製品によく言えるのが、高ければ高いほど良いものであるという話。
ついレンズも値段の高い「良いもの」を購入したくなります。
もちろんレンズも高額になれば性能自体は上がるのですが、レンズの場合高いものを買えば失敗がないとは言い切れません。
レンズは種類によって写真の表現がガラッと変わります。
つまりレンズによって得手不得手があるとも言い換えられます。
どんなに性能の良いレンズでも、自分の出したい表現と合わないレンズを買ってしまうと使う機会がなくなってしまいます。
筆者自身、ボケ味を強く出したいと思って買った単焦点レンズが、焦点距離が普段使ってるレンズと合わずしまったままになった経験があります。
価格・性能の良いレンズを買うよりも、自分の表現したい写真にあったレンズを買うことが大切ですね。
レンズを使うシーンを考える
では、自分にあったレンズはどうやって見つけたら良いでしょう?
まずレンズについて調べる前に、自分がどんなシーンで写真を撮りたいのか考えるのがおすすめです。
街歩きをしながら撮るのであれば画角の広いレンズの方が使いやすいですし、動物園やスポーツ観戦などのように物理的に近づくのが難しい場所であれば望遠レンズが欲しくなるでしょう。
そして購入する際は「これは○○用!」と決めた上で買うのがおすすめです。
筆者自身、超広角~望遠レンズにマクロレンズも持っていますが、日常使いしているレンズに慣れてしまうとついそればかり使ってしまいます。
役割を明確にすることで、撮影シーンと使用レンズが紐付けされて使う機会を逃すことがなくなります。
自分の撮影スタイルを考える
撮影シーンと合わせて考えたいのが、自分が普段撮影する時にどんなスタイルをとるか。
具体的には以下の内容を考えていくと、自分にあったレンズを見つけるヒントが得られます。
- 主な移動手段は何か
- 普段どれくらいものを持ち歩くか
- どんな時にカメラを持ち出すか
- どんな人と撮りに行くのか
- 主な行動範囲はどれくらいか
たとえば、移動手段が自転車や電車であまり荷物を多く持ち運ばない場合、大型のレンズは持て余してしまうかもしれません。
逆に車などのように荷物をあまり気にせず持ち出せて比較的遠くまで撮影にいく場合、半端に万能なレンズを一個持ち出すより状況に合わせてレンズが選べるよう、特色あるレンズを複数持ち込んだほうが後悔が少なくなりますね。
筆者の場合は普段の移動は電車が多く、最近は家族とのお出かけの方が多いので、三脚は持ち歩くとしてもミニ三脚くらい。レンズも重量が軽いものを選んでいます。
まずは自分の撮影スタイルを見直してみましょう。
用途別、レンズの種類
ては実際にレンズって大きく分けてどんなものがあるのでしょう。
まず、レンズは焦点距離ごとに大きくカテゴリわけされます。
焦点距離というのは写真を撮った時の「レンズから撮像素子までの距離」を指し、そのレンズがどの程度広い視界をもつかの基準になります。
焦点距離が近いほど画角が広く、近くのものを撮影するのに適し、焦点距離が長くなるほど画角が狭くなり、遠くのものをクローズアップして撮れるようになります。
焦点距離は、レンズのフチや側面に「○○mm」といった具合に記載されています。
ズーム機能をもったレンズであれば、「○○-○○mm」のように最短距離と最長距離がそれぞれ記載されます。
さらに、そこから焦点距離をある程度変えられるズームレンズと、決められた焦点距離のみで撮影ができは単焦点レンズという二つのカテゴリに分かれます。
それぞれどんな特徴があるのか詳しく書いていきます。
焦点距離ごとのレンズ
まずは焦点距離ごとに区分けして紹介したいと思います。
標準・広角レンズ
焦点距離でいうと35~50mmというのがこれにあたります。
画角は人間の視界と同じくらいか、もしくはそこからさらにぐっと一箇所を凝視したくらいの広さと言われています。
目にした景色をまるごと画角内に収めることができるので、とりあえずカメラを構えて撮れば狙った被写体は見切れることなく画像内に収まります。
街歩きをしながらのスナップ撮影や、パーティなどで参加者の写真を撮る時などはこちらがおすすめです。
筆者はおもに室内で子供の様子を撮るときなどに使用します。違う画角のレンズを持ち歩く時はスマホで代用することも。
超広角レンズ
焦点距離で言う24mm以下のレンズ
光をより強く屈折させることで人間の視界よりもさらに広い範囲の景色が画角内に収まります。
そのため画面の端側は像が歪みやすくなっています。
その特性から近くのものはより近く、遠くのものはより遠くに見えるので「パース」を意識した撮影をすると非常に奥行き感のある写真が撮れます。
目の前で大きな建造物を撮影したり、高いところからの景色をまるごと撮影するといった時に適しています。
筆者の場合はお寺散策のように、被写体が大きなものを撮るのかわかってるときは超広角を持ち込みます。根本から見上げるようにして撮ると迫力ある構図になりますね!
望遠レンズ
焦点距離でいうと100~400mm。
センサーからレンズまでの距離を長くすることで、より遠い場所にある被写体を撮影することに適したレンズです。
レンズからセンサーまでの距離が離れることで発生する像のブレを何枚ものレンズで細かく調整するので、構造が他より複雑でレンズ自体も大きく重くなるのが特徴です。
遠くのものを画角いっぱいまで大きく写せるので、物理的に近づくことが難しいシーンでの撮影に適しています。
スポーツ観戦や動物園、空港で飛行機を撮影したり、運動会に出場した子供を撮る時にも活躍してくれます。
遠くのものにしっかり寄れる分画角が狭くなるので、目の前のものを撮るのは不向きです。
筆者の場合、キットレンズに200mmの望遠レンズが付いていたので望遠レンズが必要な時はそれを持ち込みます。
遠景の景色から一部分だけ切り取るときにも望遠レンズは役に立ちますね!
観光などで望遠レンズを持ち歩く場合はスナップ撮影用に別のレンズを用意するか、スナップ撮影はスマホで行うと良いでしょう。
ズーム機能ごとのレンズ
次に、ズーム機能の有り無しで区分けしてお話します。
それぞれ特徴がありますが、一言で言えば
- 便利で初心者向けなのがズームレンズ
- 画質やボケ味にこだわるなら単焦点レンズ
になります。
ズームレンズ
焦点距離を一定の範囲内で変更することができます。
例えば、18-135mmと書かれたレンズは焦点距離を18mmから135mmまで自由に調整することができます。
18mmに調整すれば超広角レンズのように広い画角での撮影が可能で135mmまでのばせば標準~望遠レンズとしてより遠くのものにクローズアップできます。
一つのレンズでいくつもの役割を果たせるので、レンズを差し替える手間が抑えられる一方、内部が複雑で重くなりやすい一面もあります。
また、ピントを補正するための内部レンズも枚数が多くなりがちで画質が落ちやすいデメリットもあります。
筆者は18-200mmのデュアルズームレンズを持っています。広角から望遠までカバーする便利レンズですが、超広角・超望遠のような特性はでないのであくまで撮れるだけと言った感じです。F値もそこまで下げられないのでボケ味も浅いです。
単焦点レンズ
焦点距離が固定されたレンズです。
倍率を調整するズームリングがなく、レンズにある焦点距離の表記も「35mm」といった具合に指定された距離のみが記載されています。
画角の調整ができないので撮影用途が限られる一方、構造がシンプルな分ピントを精細に合わせられるのでズームレンズより画質が高くなります。
ボケ味にかかわる「絞り値(F値)」もズームレンズよりさらに低い数字にできるので、背景をより強くぼかすことができます。
比較的小型・軽量なものが多いので持ち歩くのは楽なんですが、用途に合わせて何本か持ち歩く必要があります。
単焦点レンズ一本のみで持ち込むと狙った写真が撮れず後悔することも
筆者も浅い考えで単焦点を買って後悔したことがあります。
画質が高く、ボケ味も強い印象的な写真は撮れるのですが、とにかく使い所を選びます。
複数レンズ持ちが前提で、かつどのレンズを使うか事前に見極めが必要なのでやはり上級者向けだなと痛感しました。
その他のレンズ
焦点距離とは別で特殊な仕様が施されたレンズもあります。
一般的な使い方もできつつ少し変わった撮影もできるので、撮影の選択肢が広がります。
マクロ(接写レンズ)
焦点距離は50mmほど。広角~標準と同程度です。
このレンズは、通常のレンズではピントを合わせることのできない至近距離での撮影に対応しています。
内部にあるフォーカスを合わせるためのレンズの可動域を広くすることで、本来ピントが合わなくなってしまう最短撮影距離よりもさらに近い距離にある被写体にもピントを合わせることができます。
主な使用用途はそのまま至近距離での撮影「接写」です。
花の中央にある雌蕊、その周りに落ちた小さな水滴など、繊細な被写体にクローズアップしたような写真が撮れます。
このレンズのもう一つの大きな特徴は、普段使いのレンズとしても運用できるところ。
他のレンズと違い、内部のレンズに工夫がされているだけなので、至近距離の被写体に限らず、標準レンズで扱う距離での撮影も問題なくこなせます。
さらに言うとレンズの歪みが小さいので、同じ焦点距離のズームレンズよりも綺麗な写真が撮れる場合が多いです。
接写専用のレンズというより、至近距離での撮影も可能な万能レンズと言っていいと思います。
筆者も、普段スナップ撮影で持ち歩く時は広角レンズではなく、単焦点のマクロレンズを持ち歩いています。
サイズもコンパクトなので、ぶら下げてても邪魔にならないのがうれしいですね。
自分にあったレンズを探して撮影の幅を広げよう
今回の内容を箇条書きでまとめると以下のようになります。
- レンズとは一眼カメラの表現幅を決める重要なもの。
- レンズを調べる前に使いたいシーン・撮影スタイルを考える
- 価格や性能よりも自分の撮りたいものに適しているかで選ぶ
でも実際に買うとなると失敗しないか不安なもの。
いかに自分が撮りたいスタイルを決めた上でレンズを調べたとしても、実際の使用感はつかってみないとわかりません。
そんな時はレンタルサービスを使用するのもひとつの手です。
筆者自身も手元にないレンズで撮影をしてみたい場合や、新しいカメラを試しに触ってみたいときはレンタルサービスのモノカリを使用しています。
3日〜1ヶ月のスパンでレンタル期間を選ぶことができ、3日程度のレンタルであれば購入価格のおよそ10分の1ほどの値段でレンタルができます。
お金が手元になくすぐに買えない場合でも、レンタルで試しながら自分に合ったものを探せるのでとても便利ですね!
自分の撮影したいシーンなどを考えながら、ぴったりのレンズを見つける一助になれば幸いです。
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