SONYのカメラα6700が新しく発売されたけど、今までのと比べてどうちがうの?
そんな方に向けてこの記事を書いています。
2023年7月28日にSONYからハイエンドのAPS-C一眼カメラα6700が発売されました。
これの一つ前のモデルにあたるα6600が2019年に発売されたので、実に4年ぶりの新作です。
筆者もこれを機にα6700を購入しました!
もともと同じシリーズのα6000という機種を使っていたのですが、α6700を使ってみてα6000から大幅な進化を遂げていることがよくわかりました。
とはいえ具体的にどう性能が変わったのか、前モデルや今出ている他のカメラとどう違うのか分からないと、買っていいのかどうか判断つかないですよね。
今回はα6000を5年以上使い続けた筆者が、実際の使用感をもとにα6700とこれまでのモデルとでどう違うかを記事にまとめました。
この記事を通じてα6700の気になる性能がわかり、買うか悩んでいる方の不安要素をスッキリさせます。
sony a6700購入のきっかけ
本題に入る前に筆者がα6700を購入した経緯についてお話しします。
冒頭でもお話ししましたが、筆者は以前までこのシリーズの旧型モデル”α6000″というカメラを愛用していました。
軽量で持ち運びやすい上に、レンズの差し替えでシーンに合わせた写真が取れるのが魅力でしたね!
ですが、およそ一年ほどまえにこのカメラの電子部分が故障。
シャッターを押し込んでも写真が撮れなくなったり、メニュー画面を開いても正常に動作しないなど、不具合が目立つようになりました。
正常に動作するときもあるのですが、いざという時に不具合がおきてしまうので安易に持ち出せなくなっちゃいましたね…。
そこでここ一年の間、一眼カメラの購入を検討していたのですがここでひとつ問題を抱えます。
それはこれまで買い集めてきたレンズの存在です。
手持ちのレンズは全てα6000用に購入したもの。
これらはすべてEマウントと呼ばれるもので、SONYのカメラにしか対応していません。
そして対応しているセンサーサイズもAPS-Cと呼ばれるフルサイズより一回り小さい規格です。
他のメーカーに乗り換えたくても手持ちのレンズでは対応しておらず、同じSONYメーカーでも最近発売されているフルサイズの一眼カメラでは十分に性能がいかせない状況。
手持ちのレンズがここまで中途半端だとは思ってなかったですね。
かといって2019年発売のカメラでは近年発売されているモデルと比べてさすがに性能が見劣りしてしまいます。
そんなジレンマを抱えながらカメラ探しをしていた矢先、今年の夏にAPS-C規格の新作カメラが発表されました。
あまりにもうれしすぎるタイミングでしたね。
カメラが買えないままお金が貯まっていたことも幸いし、迷わず購入することができました。
sony a6700の性能比較
ここからが本題です、まずは6700と従来機の性能を比較したいと思います。
カメラのスペック比較
まずはおおまかにα6700とSONYから出ている他のAPS-Cセンサー搭載の一眼カメラのスペックを表でまとめました。
α6700 | fx30 | α6600 | α6000 | |
発売日 | 2023年7月28日 | 2022年10月14日 | 2019年11月1日〜(生産終了) | 2014年3月14日〜(生産終了) |
画素数 | 約2700万画素 | 約2700万画素 | 約2500万画素 | 約2470万画素 |
ISO感度性能 | ISO 100 – 32000 (拡張: 下限ISO 50、上限ISO 102400) | ISO100-32000 (拡張: 下限ISO50、上限ISO102400) | ISO100-32000 (拡張:下限ISO50、上限ISO102400) | ISO100-25600 |
シャッタースピード | メカシャッター: 1/4000-30 電子シャッター: 1/8000-30 秒 | 1/8000-30秒 | 1/4000-30秒 | 1/4000-30秒 |
サイズ(mm)(幅 x 高さ x 奥行き) | 約122.0 × 69.0 × 75.1 | 129.7 × 77.8 × 84.5 | 約120.0 × 66.9 × 59.0 mm | 約120.0 × 66.9 × 45.1 mm |
質量(g) | 約493 g | 約646 g | 約503g | 約344g |
本体価格 | 約20万 | 約24万 | 約15万 | 約5万 |
α6700のひとつ前のモデルにあたるα6600と比較すると奥行きや横幅がやや大きくなっていますが、重量自体は少し軽くなっています。
また、これまでの物理的なシャッターとは別に電子シャッターが追加されました。
これにより従来よりもさらに早い1/8000秒というシャッタースピードでの撮影が可能となっています。
また、筆者が使っていたα6000は古いモデルなので新品はなく、中古品での価格になります。
sony FX30との比較
2022年10月にSONYからはfx30というα6700同様APS-C規格のセンサーを搭載した一眼カメラが発売されています。
発売時期が比較的近いこともあり、α6700と遜色ない機能を持っています。
ですが、こちらは動画の撮影を主目的としているため静止画には重きをおいていません。
もちろん写真の撮影は可能ですが、連写機能に対応していなかったりカメラ本体がフルサイズカメラと同じくらいに大きかったりと、α6700とは設計コンセプトが大幅に異なります。
価格もα6700と比べて4〜5万円ほど高いので、趣味で写真撮影をしたいという方にはあまり向いていません。
α6700は持ち歩きがしやすいカジュアルなモデルに対し、fx30は本格的な動画を撮りたいクリエイター向けのモデルといえますね。
a6700のイマイチだった点
まずはじめに使ってみて気になった点からお話しします。
結論からいうと、カメラの設定を変更せずに使うと初心者にはやや扱いにくい点が気になりました。
α6000からα6700に買い換えて大きく変わったと感じたのはオートフォーカス機能の充実化です。
被写体の種類や動きに合わせてさらに細かく設定ができるようになり、ピント合わせがより正確になりました。
その一方で、設定が複雑になったことで慣れてない人には扱いにくい印象になりました。
以下に詳しく説明します!
トラッキング機能の扱いが難しい
α6700の新しい機能としてリアルタイムトラッキング機能というものがあります。
被写体にあわせてピントを合わせ続けてくれる機能で、遠くから近づいてくる被写体や動きの予測ができない被写体などに対して有効な機能です。
被写体に対してシャッターを半押しして開始する機能ですが、初期設定では背面モニターで被写体をタッチするだけでもこの機能が開始されます。
スマホで撮影している時の操作感に近いですね!
実はこれがけっこう厄介で、意図せず画面に触れてしまった場合でもトラッキング機能が開始されてしまいます。
トラッキング中は他のオートフォーカス機能が使えません。
後述しますが、α6700の背面カメラは角度を自由に変えられるバリアングルモニターを採用しており、モニターに触る機会が実はかなり多くなります。
トラッキング機能を解除するにはコントロールホイールの中央ボタンを押せばいいのですが、角度調整のためにモニターに触るたびにトラッキングを解除しなければならなかったのでとても不便でした。
普段どおりのやり方で撮影がしたい方にはトラッキング機能は少し不便ですね。
タッチパネルの操作設定からトラッキング機能を開始しないよう設定はできるので、これまで通りの方法で撮影をしたい場合は最初に設定を変更するのが有効です。
最適なAFに設定するのがやや大変。
被写体にあわせより細かくフォーカスの合わせ方等をかえることができるようになり、より正確なピント合わせが可能になりました。
ですが、オートフォーカスの設定だけでメニュー内に4つも設定項目があります。
オートフォーカスの種類とフォーカスエリアの設定は以前の機種にもありましたが、被写体認識についてはα6700から新しく加わった機能です。
上記のトラッキング機能も含め、慣れない人にはどのように使い分けすればいいか迷う部分がでてきます。
筆者自身まだAF機能を十分に使いこなせておらず、新しい機能を使おうとするとどれを選べばいいのか迷ってしまっています。
結局従来のやり方で撮影してしまうことも…。
さらに、それぞれのオートフォーカス機能にはどの程度被写体を追従するかの感度を細かく設定できるようになっています。
自分にあった設定をカスタマイズすることで非常に精度の高いピント合わせができる一方、デフォルトではうまくピントが合わせられない場合が多いです。
筆者自身最初に使ったときは思わぬところにピントが合ったり、ピントを固定したつもりが別のところでフォーカスし直してしまったり、意図しない動きをすることが多かったです。
カメラの設定でAF機能はON/OFFの設定ができるので、慣れるまでは新しい機能はOFFするなど自分の使いやすいやり方に設定を変えることでこのデメリットは解決できます。
a6700のよかった点
機能向上により一部操作が複雑になった面はありますが、それだけ旧型から大幅に改善が施されたということ。
コンパクトなサイズ感はそのまま、特に筆者が大きく良くなったと感じた点についてお話しします。
カメラ自体の設計がより機能的に
素人目でみても、物理的な設計面で様々な機能向上が見られました。
大きく感じたのは以下の点です。
親指AFとは、通常シャッターを半押しをしてオートフォーカスを起動するのに対しカメラ背面にあるボタンを親指で押し込むことでオートフォーカスを起動する方法です。
以前は親指AFはカスタム設定でボタンに割り当てる必要があり、ボタン自体も頻繁に押し込むことは想定されていませんでした。
α6700は最初から親指AF用に割り当てられたボタンが存在し、頻繁に押し込むことを想定して柔らかく押しやすいボタンになっていました。
今回背面モニターに採用されたバリアングル方式とは、背面モニターが左側に開いてそこから上下方向に回転できるように設計された方式です。
従来の方式ではモニターの角度に限度があったため、極端に低い角度や高い角度での撮影が苦手でした。
バリアングル方式はモニターが360度回転するので自撮りを含む様々な角度からの撮影をモニターを見ながら行うことができるようになります。
画像の質も大幅に向上
前回から4年ぶりの発売ということもあり、画像の質も大幅に改良されていました。
筆者が感じた改善点は以下のとおりです。
まず単純に解像度(撮影画素数)が向上しています。
出力されるピクセル数自体が増えているので、旧型機と同じ写真をとってもα6700の方がより鮮明な写真になります。
さらに、明暗の差をより細かく表現できるようになりました。
これまでは明るすぎて白く飛ぶ部分や影ってしまい黒く潰れてしまう部分も、α6700で撮影したものは潰れず細かく階調が表現されています。
ISO感度についても、これまでは8000以上まであげるとノイズがとても目立っていたのですが、今回ISO感度10000まであげて撮影してもそこまで気になりませんでした。
これまでよりも様々なシーンに対応し、より綺麗で鮮明な写真が撮れるようになりました。
カメラの初心者や、子育てパパでも使いやすい
子どもが産まれてから写真を撮る機会が増えたパパさんは多いと思います。
これを機に一眼カメラでより鮮明な写真を思い出として残したいというパパさんもいるかもしれません。
ただ、一眼カメラは持ち歩くにはサイズがかさばるもの。
オマケに写真を撮るのに夢中になると子どもと遊べなかったりして本末転倒になってしまいがち。
つい子どもを追いかけるのに夢中になっちゃうんですよね…。
α6700はそんな子育てパパでも扱いやすい設計になっています。
α6700はコンパクトなサイズを維持したまま高い性能を持っているのが強みのカメラです。
バックパックに突っ込んでもそこまで重くはならず、肩に提げたまま子どもを抱っこしてもカメラが邪魔にはなりません。
また、通常撮影する場合ファインダーを覗き込んで撮影するため意識がカメラに行きがちですが、α6700は背面モニターが自由に角度を変えられるためモニターを見ながら簡単に撮影ができます。
そして大きなポイントは一眼カメラでありながら動画の撮影機能も非常に高い点です。
子どもが大きくなってくると、発表会や運動会など子どもの活躍を動画で残したくなるシーンが増えてきます。
α6700は4k画質で従来の2倍のフレームレート(60fps)での撮影が可能になっています。
もちろんレンズの付け替えで望遠~広角までシーンに合わせた撮影が可能。
別記事でも紹介していますが、発表会や運動会など離れたところから長時間撮影するようなシーンは一眼カメラが適しています。
普段は気軽に持ち歩いて写真を撮りつつ、発表会などは動画でじっくり撮影ができる万能さは子育てパパにピッタリなカメラだと思いました。
コンパクトサイズ+静止画動画どちらもこなせる万能さは一眼デビューを考えてる初心者さんにもぴったりですね!
どこにでも持ち歩きたいハイエンドカメラ
今回はソニーの一眼カメラα6700のレビューを記事にまとめました。
実際使ってみた印象を一言でまとめると、これまでのサイズ感を維持しつつ全体的に機能がパワーアップしたカメラといったところでしょうか。
新しいオートフォーカスの機能は扱いを理解するのに知識が必要になりますが、コンパクトながらしっかりと新機能が詰まっているので、シーンを問わず使える一眼カメラといえます。
しっかりとしたカメラで写真を撮りたいけどあまり重いカメラを持ち歩きたくない。
そんな方にはぜひ検討をおすすめしたいモデルです。
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